ボランティア

ボ ラ ン ティ ア へ の 歩 み


1,文学を愛好して

処女作
  私達と、それから終戦になり数年後に生まれた第一次ベビーブーム、所謂現代で言うところの団塊の世代は、日本の高度経済成長を支えた中心的な働き手であり、年代であるといえる。それ故歴史的にも役割を果たし、人生に対する一定の誇りを持ち、生きてきた世代でもある。

 若い頃は、いつも文庫本や月刊誌を小脇に抱えて歩いていた。特に夏目漱石の作品は殆ど読破し、その他いろんな傾向の作家の文芸作品も読みあさった。当時流行していた、石坂洋次郎の青春物や源氏鶏太のサラリーマンものも、愛読していたのは勿論である。

 ところが、実際に職場へ入ってみて、文学の世界と現実との落差の大きさに矛盾を感じ、それをきっかけに社会の仕組みに関心を持ち、その疑問を自ら解明すべく、社会科学に興味を持ち資本論を勉強するコースを辿る。

 また、当時は労働組合も、第二労務室と言われる程には極悪な右傾化をする直前であり、一部真面目な部分も残っていた。組合の中には従来からの継続で、民主的な部分も一部維持され、種々の活動も残存していた。その中に文学サークルも細々と活動していた。そんなサークルから呼びかけられ、短編の作品を書き投稿して入選し、冊子に掲載されたりもした。いわゆる文学青年らしき青春であったのだが、その青臭い文学的ヒューマニズムが、後に私の生きる方向を決定づける大きな要因になるとは、未だ当の本人も気が付いていなかったのである。


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